イマココニアルワタシ

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全てのものにはヒビがある - There's a crack in everything

There's a crack in everything, that's how the lights get in

先日「世界一受けたい授業」というテレビ番組で見た、台湾のデジタル担当政務委員であるオードリー・タン氏のインタビュー。最後に紹介された、タン氏が大切にしているという言葉が心に残りました。

There's a crack in everything, that's how the lights get in.

全てのものにはヒビがあり、そこから光が差し込む。

ー レナード・コーエン「Anthem」より ー

ここには、オードリー氏が目指している「誰も置き去りにしない社会」のための前提が示されていると思います。

支援は、障がいがある人や、マイノリティだけに必要なものではありませんし、そもそも私たちは誰もがマイノリティです。みんなかたちが違うだけで、それぞれに弱さを抱えた人間であり、その弱さを共有することが大切です。

ー オードリー・タン 自由への手紙(1)プロローグ前編 ー

誰もが「弱さ」=「ヒビ」を抱えている。他人のヒビを批判したり、拒絶したりする(他人を排除することで自分が安定しようとする)のではなく、お互いがそれぞれのヒビを認め合っていければ、誰も排除されない、全ての人の居場所となる、懐の深い社会が育っていくでしょう。

 

そして、ヒビは「光」=「希望」が差し込む「隙間」(スペース)でもあります。

 

現代社会は効率を求めて、「隙間」「スペース」「ゆとり」「余白」「あそび」を排除する傾向があります。けれども、人がバランスを保って生きていくためには、この余分とされる「スペース」ほど大切なものはないと思います。

 

私が取り組んでいる「フェニックス・ライジング・ヨガセラピーPhoenix Rising Yoga Therapy; PRYT)」では、自分にとって十分な「スペース」(呼吸的、身体的、時間的などなど)を探り、保っていきます。そのスペースと、じっくり時間をかけて共に居る。そうすることで、前向きで建設的な事実へと目が開かされていくように思います。

 

どんなプラスやマイナスの感情も心の中に空間を1つ作り、その感情を詳しく描写できるようになるまでそこに入れておきます。過度にプラスあるいはマイナスな気持ちも、時間をかけ、苦しくも楽しくもない境地に到達するまで付き合えばいいのです。

ー 『Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔』より#2 ー

感情とうまく付き合うためにも、スペース(空間・時間)は必要です。